【S】―エス―01
第15章 宝探し
奥へと歩を進めた香緒里は、仏壇の前に座し線香をあげ手を合わせる。
「ただいま、父さん」
(私が父さんの言ってた真実を探し出してみせるわ)
眼前の父親の遺影は、全てを見守るように笑っていた。
口の端を緩ませ微笑み返すと、意を決して仏壇の下に設けられてある小棚に手をかける。
ひと通り探したが、それらしき物は見当たらない。あるのは当面関係のない封筒や書類ばかり。
そもそも何か遺してあったとして、それがどのような物なのか。メモリーカードか、はたまたノートかメモ帳か……。
仏壇の中を隅々まで漁ったところで、香緒里の脳裏にある疑念がよぎる。
仮にもし父が何かしら遺していたとしても葬儀の際、証拠となる物を他の物共々棺の中に納めていたら……。そうだとすれば、完全に手詰まりだ。
兎も角、今はそうでないことを祈りながら探すしかない。
散らかした物をもとの場所へ仕舞うと立ち上がり、2階にある父親の書斎へと向かう。
階段を登ってすぐの父の書斎。ドアノブを回す手が一瞬止まる。
「ただいま、父さん」
(私が父さんの言ってた真実を探し出してみせるわ)
眼前の父親の遺影は、全てを見守るように笑っていた。
口の端を緩ませ微笑み返すと、意を決して仏壇の下に設けられてある小棚に手をかける。
ひと通り探したが、それらしき物は見当たらない。あるのは当面関係のない封筒や書類ばかり。
そもそも何か遺してあったとして、それがどのような物なのか。メモリーカードか、はたまたノートかメモ帳か……。
仏壇の中を隅々まで漁ったところで、香緒里の脳裏にある疑念がよぎる。
仮にもし父が何かしら遺していたとしても葬儀の際、証拠となる物を他の物共々棺の中に納めていたら……。そうだとすれば、完全に手詰まりだ。
兎も角、今はそうでないことを祈りながら探すしかない。
散らかした物をもとの場所へ仕舞うと立ち上がり、2階にある父親の書斎へと向かう。
階段を登ってすぐの父の書斎。ドアノブを回す手が一瞬止まる。