【S】―エス―01
第3章 亡霊からの手紙
新聞の一角に載せられた文面を食い入るように目で追う。
「まさか……」
愕然とした。もしこの男が『中川 昭夫』本人であったなら、既に何者かに殺されてしまったことになる。
「くっそ……! また振り出しか」
瞬矢は頭を抱える。ようやく手掛かりを得られたと思いきや、これだ。
「でも、なんで犯人はわざわざ【S】なんて文字残したんだろ?」
「そんなの、俺が知るか!」
投げやりな口調で考えることを放棄する。
その時ふっと視界に入り込んできたのは、先ほど無下に払いのけた手紙だった。
その手紙には差出人名がなく、瞬矢は小首を傾げ訝しみながらもびりびりと封を破り中身を取り出す。
床に両膝をつき興味津々に手紙を覗き見た茜は、驚嘆のあまり声を詰まらせる。
「何、これ……」
『
あと3人。
これは、まだほんの手始めにすぎない。10年の約束の時まで。
――from S. 』
やたらと空白が目立つコピー用紙の中央に、パソコンから打ち出された文字が綴(つづ)られていた。Sからのものだ。
「S……まさか……」
「まさか……」
愕然とした。もしこの男が『中川 昭夫』本人であったなら、既に何者かに殺されてしまったことになる。
「くっそ……! また振り出しか」
瞬矢は頭を抱える。ようやく手掛かりを得られたと思いきや、これだ。
「でも、なんで犯人はわざわざ【S】なんて文字残したんだろ?」
「そんなの、俺が知るか!」
投げやりな口調で考えることを放棄する。
その時ふっと視界に入り込んできたのは、先ほど無下に払いのけた手紙だった。
その手紙には差出人名がなく、瞬矢は小首を傾げ訝しみながらもびりびりと封を破り中身を取り出す。
床に両膝をつき興味津々に手紙を覗き見た茜は、驚嘆のあまり声を詰まらせる。
「何、これ……」
『
あと3人。
これは、まだほんの手始めにすぎない。10年の約束の時まで。
――from S. 』
やたらと空白が目立つコピー用紙の中央に、パソコンから打ち出された文字が綴(つづ)られていた。Sからのものだ。
「S……まさか……」