
【S】―エス―01
第17章 困惑
ガラステーブルの上にはタッパーが置かれてあり、それには四角い大きめな付箋紙が貼られていた。
「茜……来てたのか」
頬を緩ませ何かが書かれた付箋紙を手に取る。
メモにはこう書かれていた。
《アイスばっかり食べてちゃダメだよ》
そしてその下に、いかにも後からつけ足したような一言。
《窓開けっ放しで風邪ひくよ》
「……あいつ」
ぽつり、毒づきながらも口角をつり上げ嘲笑混じりにふっと息を吐く。
そして、ガラステーブルの上に置かれたタッパーの蓋を開ける。色とりどりの野菜に――。
「……あ、しいたけ」
一番上に堂々鎮座するしいたけの存在に、もともとそれほど高くないテンションが若干下がるのを感じ、それでも折角だからとひとつ摘まむ。
尚、瞬矢がしいたけを食すのにそれなりの時間を要したのは言うまでもない。
――午後5時10分。
手にしたカップに視線を落とす。半分ほど注がれたコーヒーには、自身の顔が映っていた。
思考を巡らし悩ますのは、先刻見た夢。
(俺が、りく? まさか……)
「茜……来てたのか」
頬を緩ませ何かが書かれた付箋紙を手に取る。
メモにはこう書かれていた。
《アイスばっかり食べてちゃダメだよ》
そしてその下に、いかにも後からつけ足したような一言。
《窓開けっ放しで風邪ひくよ》
「……あいつ」
ぽつり、毒づきながらも口角をつり上げ嘲笑混じりにふっと息を吐く。
そして、ガラステーブルの上に置かれたタッパーの蓋を開ける。色とりどりの野菜に――。
「……あ、しいたけ」
一番上に堂々鎮座するしいたけの存在に、もともとそれほど高くないテンションが若干下がるのを感じ、それでも折角だからとひとつ摘まむ。
尚、瞬矢がしいたけを食すのにそれなりの時間を要したのは言うまでもない。
――午後5時10分。
手にしたカップに視線を落とす。半分ほど注がれたコーヒーには、自身の顔が映っていた。
思考を巡らし悩ますのは、先刻見た夢。
(俺が、りく? まさか……)
