【S】―エス―01
第19章 真相、そして――
代わりに発したのは、香緒里が導き出し呑み込んだ答えに繋がるであろう台詞。「そんなの決まってるさ」彼はそう、さも平然と言ってのける。
「兵器に感情はいらない。いらないんだよ……。だから、僕は『僕』を殺した……」
俯きがちに淡々と語る刹那の表情は、笑っているようにも、泣いているようにも見えた。
その平淡な口調からは想像もできないほど、複雑な表情。
「刹那……、あなたのしたことは間違ってる。けど、本当に悪いのは造らせた人たち」
一時の沈黙。微動だにせず、しばし押し黙っていた彼であったが、その整った顔立ちに人形のような笑みを湛え言った。
「たったそれだけのことで、全て知ったような顔しないで」
やがて何が可笑しいのか左手で顔を押さえ、肩を震わせ声を殺し、喉の奥でくつくつと笑い始める。
その笑いも止んだ頃、伏せた顔をそろりと上げ静かに切り出した。
「知ってる? 本当の真実を」
同時に指の間から茶色い瞳が妖しく見据え、押さえていた左手をゆっくりと下ろす。
「――!」
**
「兵器に感情はいらない。いらないんだよ……。だから、僕は『僕』を殺した……」
俯きがちに淡々と語る刹那の表情は、笑っているようにも、泣いているようにも見えた。
その平淡な口調からは想像もできないほど、複雑な表情。
「刹那……、あなたのしたことは間違ってる。けど、本当に悪いのは造らせた人たち」
一時の沈黙。微動だにせず、しばし押し黙っていた彼であったが、その整った顔立ちに人形のような笑みを湛え言った。
「たったそれだけのことで、全て知ったような顔しないで」
やがて何が可笑しいのか左手で顔を押さえ、肩を震わせ声を殺し、喉の奥でくつくつと笑い始める。
その笑いも止んだ頃、伏せた顔をそろりと上げ静かに切り出した。
「知ってる? 本当の真実を」
同時に指の間から茶色い瞳が妖しく見据え、押さえていた左手をゆっくりと下ろす。
「――!」
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