【S】―エス―01
第19章 真相、そして――
突きつけられた真実に言葉を失った香緒里。彼女をその場に残し、刹那は姿を消した。
遠くから次第にサイレンの音が近づいてくる。それは倉庫の入り口付近で止まり、駆け寄るひとつの人影。
「新田さん!」
低くも切迫感ある、その声の主は――。
「山田……?」
冷たいコンクリートの地面に俯せたまま顔だけを向け、香緒里は見開いた目を数回しばたたかせる。
「匿名で連絡があって調べたら携帯からで、それで発信地とGPSの位置情報を……」
しゃがみ込み、香緒里の両手の自由を奪う紐を解きながら一気に捲し立てる山田。
「GPS……そっか」
どこか虚ろにぽつり呟く。駆けつけた山田により解放され、地面に両手をつく香緒里の双眸は見開いたまま一点を見据える。
あの時――。
「知ってる? 本当の真実を」
そう、笑みを浮かべながら彼が言ったあの時のこと。
顔の傍にある左手をすうっと下ろす。次いで彼が発したのは、先刻見せたそれにも劣らぬほどの真実。
「君の父親を殺したのは――僕だよ」
「……!」
遠くから次第にサイレンの音が近づいてくる。それは倉庫の入り口付近で止まり、駆け寄るひとつの人影。
「新田さん!」
低くも切迫感ある、その声の主は――。
「山田……?」
冷たいコンクリートの地面に俯せたまま顔だけを向け、香緒里は見開いた目を数回しばたたかせる。
「匿名で連絡があって調べたら携帯からで、それで発信地とGPSの位置情報を……」
しゃがみ込み、香緒里の両手の自由を奪う紐を解きながら一気に捲し立てる山田。
「GPS……そっか」
どこか虚ろにぽつり呟く。駆けつけた山田により解放され、地面に両手をつく香緒里の双眸は見開いたまま一点を見据える。
あの時――。
「知ってる? 本当の真実を」
そう、笑みを浮かべながら彼が言ったあの時のこと。
顔の傍にある左手をすうっと下ろす。次いで彼が発したのは、先刻見せたそれにも劣らぬほどの真実。
「君の父親を殺したのは――僕だよ」
「……!」