【S】―エス―01
第19章 真相、そして――
香緒里は真実に目を見開き、声すら出せずにいた。沸き上がる憎悪。だがその反面、不思議と心のどこかで憎みきれないでいたのだ。
刹那はそんな彼女の心の内を見透かしたかの如く、わずかに口角をつり上げくすりと微笑み、そして背を向ける。
「ああ、そうだ」踵を返したかと思えば入り口で立ち止まり、ひょいと顔だけを向け一言。
「さっき知らせたから、そろそろ来るんじゃないかな」
そう言い残し、彼は静寂なる宵闇の中へと消えていった――。
目的なき犯行、自己の証明。ならばこんなまどろっこしいことをせず、すぐにでも殺せばいいはず。
(だとすると、彼の狙いは……)
不意に手を伸ばすと、がさ……、無機質な何かが指先に触れる。背後に視線を送ると、何かを山積みにしたその上に覆い被さるブルーシート。
その端から、青白い小枝のようなものがちらりと覗く。眉をひそめ、訝りながらも背後のブルーシートを掴み思い切って捲った。
「――!」
暴かれそこに映ったものに、香緒里は再び目を見開き息を呑む。
**
刹那はそんな彼女の心の内を見透かしたかの如く、わずかに口角をつり上げくすりと微笑み、そして背を向ける。
「ああ、そうだ」踵を返したかと思えば入り口で立ち止まり、ひょいと顔だけを向け一言。
「さっき知らせたから、そろそろ来るんじゃないかな」
そう言い残し、彼は静寂なる宵闇の中へと消えていった――。
目的なき犯行、自己の証明。ならばこんなまどろっこしいことをせず、すぐにでも殺せばいいはず。
(だとすると、彼の狙いは……)
不意に手を伸ばすと、がさ……、無機質な何かが指先に触れる。背後に視線を送ると、何かを山積みにしたその上に覆い被さるブルーシート。
その端から、青白い小枝のようなものがちらりと覗く。眉をひそめ、訝りながらも背後のブルーシートを掴み思い切って捲った。
「――!」
暴かれそこに映ったものに、香緒里は再び目を見開き息を呑む。
**