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【S】―エス―01

第20章 対峙

 全ては彼らを善悪の根幹すら持たない兵器へと仕立て上げる為。


 そして最終的に残ったのが【S‐06】と【S‐07】――、つまるところ瞬矢たち2個体である。


 心なき者たちのエゴイズムにより造り出された、人ならざる存在――それが【S】。


 だが、強大な力は時として創造者すら持て余す。ある日いち個体は研究者たちの意に反し、暴走する。


 元々、操ることのできる代物ではなかったのだ。いや、人が『ヒト』を生み出し利用するなど、本来あってはならないこと。


 失敗作、危険物……。彼らは彼らを造り出すよう頼まれた国から不要とされ、そのような烙印を押された。


 こうして【S】は、決して公に知られることのない過去の遺物となり果てたのだ。




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