【S】―エス―01
第20章 対峙
辺りに散乱した破片は宙を漂い、右手を翳すと周囲に展開される鉄骨などの廃材。
重々しい音を上げ、刹那の背後でベッドが浮く。
「どうする?」
ゆるりと天井に向け右手を翳したまま小首を傾げほくそ笑み、ベッドから独立し宙に漂う茜を一瞥した。
彼女がいるからには迂闊には手を出せない。刹那はそんな心理を全て分かった上で、あえてそこに付け込んだのだ。
展開されている物のひとつ、折り畳み式の簡易机に視線を送る。
「――ッ!」
薄紫色の視線を向けると共に机は牙を剥く。
かわすしかない。左方向から押し迫る簡易机を跳びかわし、着地した。
視線を正面に移すと、無数に展開される鉄材。だが、胸部へ走る痛みに一瞬反応が遅れる。
(しまっ……!)
思うより早く方々から雨露の如く一斉に襲い来る。全てかわす――否、数が多すぎだ。
案の定、その内の何本かが瞬矢の体を貫いた。反動で、粉塵を巻き上げ壁に打ち付けられ畳みかけるように襲いかかる鉄材の数々。
重々しい音を上げ、刹那の背後でベッドが浮く。
「どうする?」
ゆるりと天井に向け右手を翳したまま小首を傾げほくそ笑み、ベッドから独立し宙に漂う茜を一瞥した。
彼女がいるからには迂闊には手を出せない。刹那はそんな心理を全て分かった上で、あえてそこに付け込んだのだ。
展開されている物のひとつ、折り畳み式の簡易机に視線を送る。
「――ッ!」
薄紫色の視線を向けると共に机は牙を剥く。
かわすしかない。左方向から押し迫る簡易机を跳びかわし、着地した。
視線を正面に移すと、無数に展開される鉄材。だが、胸部へ走る痛みに一瞬反応が遅れる。
(しまっ……!)
思うより早く方々から雨露の如く一斉に襲い来る。全てかわす――否、数が多すぎだ。
案の定、その内の何本かが瞬矢の体を貫いた。反動で、粉塵を巻き上げ壁に打ち付けられ畳みかけるように襲いかかる鉄材の数々。