【S】―エス―01
第24章 兄弟
「だってそうだろ?」柔らかな表情で小首を傾げ続ける。刹那を見下ろす水色の双眸が、温かい光を宿して揺らぐ。
だが当の刹那は表情を歪めたまま、意味が分からないと言いたげに開いた口の隙間からわずかな息を漏らし、首を傾げた。
「それってただの『モノ』じゃない、ちゃんと心があるってことなんだから」
その言葉を聞き刹那は体を横たえたまま、はっと目を見開く。
瞬きも忘れ刮目する薄紫の瞳の奥には、自身の内に眠る感情への無自覚と、どうにも対処しようのない混乱の色を孕んでいた。
そんな表情から何かを察したのか瞬矢は、笑みを湛えたまま刹那の左胸を指し示す。
「まぁ、お前を縛るものもなくなった訳だし。それに誰がなんと言おうと、俺は俺だしお前はお前だ」
すっと左胸の辺りを示していた右手を引き、続ける。
「だから、またもう一度弟と思わせてくれないか?」
「弟と思っていたいんだ」そう消え入りそうな声で刹那を見下ろす水色の瞳は、優しく静かに揺らめく。
だが当の刹那は表情を歪めたまま、意味が分からないと言いたげに開いた口の隙間からわずかな息を漏らし、首を傾げた。
「それってただの『モノ』じゃない、ちゃんと心があるってことなんだから」
その言葉を聞き刹那は体を横たえたまま、はっと目を見開く。
瞬きも忘れ刮目する薄紫の瞳の奥には、自身の内に眠る感情への無自覚と、どうにも対処しようのない混乱の色を孕んでいた。
そんな表情から何かを察したのか瞬矢は、笑みを湛えたまま刹那の左胸を指し示す。
「まぁ、お前を縛るものもなくなった訳だし。それに誰がなんと言おうと、俺は俺だしお前はお前だ」
すっと左胸の辺りを示していた右手を引き、続ける。
「だから、またもう一度弟と思わせてくれないか?」
「弟と思っていたいんだ」そう消え入りそうな声で刹那を見下ろす水色の瞳は、優しく静かに揺らめく。