
【S】―エス―01
第25章 白日のもとに
◇2
1ヶ月前、それはあの山間の倉庫でのこと。
香緒里の指先が、何かを覆い隠すようにかけられたブルーシートに触れる。
「?」
首だけで振り返ると、青いその端からは月明かりに照らされた白い小枝のようなものが覗く。
「どうしたんですか?」
傍にいた山田が不思議そうに訊ね、香緒里の見つめる視線の先を覗き込む。
「な……なんでもないわよ」
しかし確かめずにはおられず、恐る恐る、だが意を決しブルーシートを掴み捲る。
「――! 何、これ……!?」
真っ直ぐ視界に飛び込んできた【もの】に、香緒里たちは息を呑み、小さく驚嘆する。
それはひとところに山積みにされ、その上から透明なビニールがかけられた、皆、同じ顔を持つ人の形状をしたもの。
香緒里が見たのは、ビニールからはみ出したその内のひとつの指だった。
「これって、『彼』……ですよね?」
ふと思い出したように、だが目線はビニールの中のそれらを見つめたまま、山田がぽつりと問う。
「ええ。でも、恐らく『彼』の複製……」
見たところ、それらが息をしている様子はなかった。
1ヶ月前、それはあの山間の倉庫でのこと。
香緒里の指先が、何かを覆い隠すようにかけられたブルーシートに触れる。
「?」
首だけで振り返ると、青いその端からは月明かりに照らされた白い小枝のようなものが覗く。
「どうしたんですか?」
傍にいた山田が不思議そうに訊ね、香緒里の見つめる視線の先を覗き込む。
「な……なんでもないわよ」
しかし確かめずにはおられず、恐る恐る、だが意を決しブルーシートを掴み捲る。
「――! 何、これ……!?」
真っ直ぐ視界に飛び込んできた【もの】に、香緒里たちは息を呑み、小さく驚嘆する。
それはひとところに山積みにされ、その上から透明なビニールがかけられた、皆、同じ顔を持つ人の形状をしたもの。
香緒里が見たのは、ビニールからはみ出したその内のひとつの指だった。
「これって、『彼』……ですよね?」
ふと思い出したように、だが目線はビニールの中のそれらを見つめたまま、山田がぽつりと問う。
「ええ。でも、恐らく『彼』の複製……」
見たところ、それらが息をしている様子はなかった。
