
【S】―エス―01
第29章 S‐145
幸い、森の中なので光もほとんど届かず暗闇に近い。茂みから一気に肉薄し、右手を横に振り上げ空を裂いた。
何が起こったのか理解できないまま赤い線を描き地へ伏す警備の人間を横目に、素早く小屋へと足を踏み入れる。
小屋の中は、一見すると物置のような場所だった。地下通路のことを知らなければ、恐らく誰もがただの物置小屋だと思うだろう。
おもむろに床に敷いてあった、いかにもその場に不釣り合いな絨毯(じゅうたん)を捲る。
その下から姿を現した木製の扉に、刹那は小さくふん、と鼻を鳴らし口角をつり上げた。
木製の扉を開けたことでぽっかり口を開いた地下通路へと続く狭い階段に、躊躇(ためら)いなく足を踏み入れる。
暗く狭い階段を下りて行くと、やがて目の前に一本の通路が姿を現す。
道端は先ほどの階段から比べればある方だが、それでも決して広いとは言い難い。
天井付近の壁には、オレンジ色の照明灯が等間隔に埋め込まれている。それは、さながら地下にあるトンネルのようであった。
何が起こったのか理解できないまま赤い線を描き地へ伏す警備の人間を横目に、素早く小屋へと足を踏み入れる。
小屋の中は、一見すると物置のような場所だった。地下通路のことを知らなければ、恐らく誰もがただの物置小屋だと思うだろう。
おもむろに床に敷いてあった、いかにもその場に不釣り合いな絨毯(じゅうたん)を捲る。
その下から姿を現した木製の扉に、刹那は小さくふん、と鼻を鳴らし口角をつり上げた。
木製の扉を開けたことでぽっかり口を開いた地下通路へと続く狭い階段に、躊躇(ためら)いなく足を踏み入れる。
暗く狭い階段を下りて行くと、やがて目の前に一本の通路が姿を現す。
道端は先ほどの階段から比べればある方だが、それでも決して広いとは言い難い。
天井付近の壁には、オレンジ色の照明灯が等間隔に埋め込まれている。それは、さながら地下にあるトンネルのようであった。
