【S】―エス―01
第29章 S‐145
陰へ隠れた咲羅がコートの端をくい、と引き、見上げ「大丈夫?」と言いたげな視線を送る。
刹那は照明灯のオレンジに薄紫色の瞳を揺らめかせながら微笑み大丈夫と視線を送り、「離れないで」そう咲羅の肩に左手を置くと背後へ押し隠す。
そして今一度瞑目し、静かに、それでいて鋭く白衣の男――ハロルドをねめつけ言う。
「この子は渡せない。それに、消えるのは――君たちだ」
薄紫色の双眸で見据え、すうっと広げた右手を前方へ翳(かざ)す。同時に迷彩服の衛兵たちは銃身を構え直し引き金へ爪をかける。
同時にハロルドは後退し、奥の壁に身を隠す。
一触即発の空気が流れ、静寂は一発の銃声と共に破られた。それをかわきりに銃弾の雨が刹那たちを襲う。
それらを瞬時に目視すると、これでもかというほどに瞳孔を縮小させ刮目し、
「――ッ!」
前方へ右手を伸べた刹那を中心に、ぐわり空気が渦を巻く。
周囲にある照明灯のガラスが盛大な音を立てて炸裂し、遠くの灯かりもじりじりと点滅を繰り返す。
刹那は照明灯のオレンジに薄紫色の瞳を揺らめかせながら微笑み大丈夫と視線を送り、「離れないで」そう咲羅の肩に左手を置くと背後へ押し隠す。
そして今一度瞑目し、静かに、それでいて鋭く白衣の男――ハロルドをねめつけ言う。
「この子は渡せない。それに、消えるのは――君たちだ」
薄紫色の双眸で見据え、すうっと広げた右手を前方へ翳(かざ)す。同時に迷彩服の衛兵たちは銃身を構え直し引き金へ爪をかける。
同時にハロルドは後退し、奥の壁に身を隠す。
一触即発の空気が流れ、静寂は一発の銃声と共に破られた。それをかわきりに銃弾の雨が刹那たちを襲う。
それらを瞬時に目視すると、これでもかというほどに瞳孔を縮小させ刮目し、
「――ッ!」
前方へ右手を伸べた刹那を中心に、ぐわり空気が渦を巻く。
周囲にある照明灯のガラスが盛大な音を立てて炸裂し、遠くの灯かりもじりじりと点滅を繰り返す。