
【S】―エス―01
第31章 ハローバイバイ
後方にいた茜が今も昔も変わらない、好奇心いっぱいのくりくりとした茶色い瞳を咲羅に向け言う。
「『咲羅』かぁ。やっぱり、昔の2人にそっくり――」
言いかけて、ふと茜の脳裏にある思考がよぎる。
(瞬矢たちと『同じ』ってことは、もしかしてこの子も……)
茜は、瞬矢たちが『東雲 刹那』の複製であることを知っていた。
だが聞かされたところで、この少年への対応がどう変わることはなかった。きっと刹那の言うように、きっとそれなりの事情があるのだろうと。
ふっと息をつき、再度、今だにはにかむ咲羅に視線を移す。
「こんにちわ」
そう言い茜は膝を曲げ、前屈みに目線を低く、にこりと笑いかける。
刹那の傍らにいた咲羅は褐色の瞳できょとんとしばし茜を見つめ、やがて思いついたようにぽつり呟く。
「……アカネ?」
「!」
(なんで、私の名前知ってるの!?)
よもや、会ったばかりの少年に名前を呼ばれるなど思いもしなかった茜は目を丸くする。
「ああ。ここへ来る前に2人の写真見せたから……、きっとそれで覚えたんだね」
「『咲羅』かぁ。やっぱり、昔の2人にそっくり――」
言いかけて、ふと茜の脳裏にある思考がよぎる。
(瞬矢たちと『同じ』ってことは、もしかしてこの子も……)
茜は、瞬矢たちが『東雲 刹那』の複製であることを知っていた。
だが聞かされたところで、この少年への対応がどう変わることはなかった。きっと刹那の言うように、きっとそれなりの事情があるのだろうと。
ふっと息をつき、再度、今だにはにかむ咲羅に視線を移す。
「こんにちわ」
そう言い茜は膝を曲げ、前屈みに目線を低く、にこりと笑いかける。
刹那の傍らにいた咲羅は褐色の瞳できょとんとしばし茜を見つめ、やがて思いついたようにぽつり呟く。
「……アカネ?」
「!」
(なんで、私の名前知ってるの!?)
よもや、会ったばかりの少年に名前を呼ばれるなど思いもしなかった茜は目を丸くする。
「ああ。ここへ来る前に2人の写真見せたから……、きっとそれで覚えたんだね」
