
【S】―エス―01
第32章 原点
すると、その骨に刻印された数字を見て刹那も瞬矢の後に続く。
「ああ、僕も向こうにいた時に同じようなの見たよ。……咲羅を視た教会の壁で」
いったいどういうことなのか。果たして双方の見た数字に共通しているもの、その意味とは……。
薄暗い木々の合間で、嘲るように烏が鳴いた。
「こうしてても時間の無駄だ。この件について関わりの深い人物に訊いてみよう」
再び前屈みに開けっ放しの納骨スペースの扉を閉め、やおらそう提案する。
「?」
刹那は少しばかり小首を傾げ、その発言の真意を伺う。
それを目視した瞬矢は拾ったその骨を透明なビニール袋に入れ、「簡単なことさ」と口の端をつり上げちらりと茜の方を見やる。
「なるほど!」
刹那も瞬矢の言わんとしたことを察したのか、同様に口元に笑みを湛え、茜へと視線を送る。
それにより、2人が茜に視線を向ける形となった。
よもや話が振られるとは思わず、茜はその大きな茶色い目を更に丸くし、瞼を数回しばたたかせ右手の人差し指で自身を指し示す。
**
「ああ、僕も向こうにいた時に同じようなの見たよ。……咲羅を視た教会の壁で」
いったいどういうことなのか。果たして双方の見た数字に共通しているもの、その意味とは……。
薄暗い木々の合間で、嘲るように烏が鳴いた。
「こうしてても時間の無駄だ。この件について関わりの深い人物に訊いてみよう」
再び前屈みに開けっ放しの納骨スペースの扉を閉め、やおらそう提案する。
「?」
刹那は少しばかり小首を傾げ、その発言の真意を伺う。
それを目視した瞬矢は拾ったその骨を透明なビニール袋に入れ、「簡単なことさ」と口の端をつり上げちらりと茜の方を見やる。
「なるほど!」
刹那も瞬矢の言わんとしたことを察したのか、同様に口元に笑みを湛え、茜へと視線を送る。
それにより、2人が茜に視線を向ける形となった。
よもや話が振られるとは思わず、茜はその大きな茶色い目を更に丸くし、瞼を数回しばたたかせ右手の人差し指で自身を指し示す。
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