
【S】―エス―01
第4章 あかねいろ
それはつい先日、関係者の1人である中川 昭夫が殺された現場近くの河川敷で瞬矢にメモを渡してきた、あの男だった。
「名前は『六野 康博(りくの やすひろ)』。今からこの男に会いに行ってみようと思う」
瞬矢の言葉に茜は黙って頷く。
**
河川敷へ行くと何やら人だかりができており、ブルーシートに覆われた辺りからは何かが焼け焦げたような鼻をつく臭いが漂う。
「まさか……」
はっと口元に右手をあて体をすくめた茜が呟く。瞬矢は辺りを見回したが、当然の如く『彼』の姿は見当たらなかった。
立ち入り禁止の黄色いテープの周りでは警察が現場検証を行っており、新田 香緒里の姿が目に留まる。
隣には香緒里と同年代くらいの若い男の刑事が立っていた。
香緒里も瞬矢たちに気づいたらしく、相変わらずの鋭い眼光を向ける。
その時、再びあの割れんばかりの頭痛と耳鳴りが瞬矢を襲う。
「くそ……っ! また……か」
周りの雑音も茜の声すらも聞こえなくなり、やがて耳鳴り以外の周囲の音全てが遮断される。
「名前は『六野 康博(りくの やすひろ)』。今からこの男に会いに行ってみようと思う」
瞬矢の言葉に茜は黙って頷く。
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河川敷へ行くと何やら人だかりができており、ブルーシートに覆われた辺りからは何かが焼け焦げたような鼻をつく臭いが漂う。
「まさか……」
はっと口元に右手をあて体をすくめた茜が呟く。瞬矢は辺りを見回したが、当然の如く『彼』の姿は見当たらなかった。
立ち入り禁止の黄色いテープの周りでは警察が現場検証を行っており、新田 香緒里の姿が目に留まる。
隣には香緒里と同年代くらいの若い男の刑事が立っていた。
香緒里も瞬矢たちに気づいたらしく、相変わらずの鋭い眼光を向ける。
その時、再びあの割れんばかりの頭痛と耳鳴りが瞬矢を襲う。
「くそ……っ! また……か」
周りの雑音も茜の声すらも聞こえなくなり、やがて耳鳴り以外の周囲の音全てが遮断される。
