
【S】―エス―01
第34章 夢の断片
どうやらあの時彼も同じ夢を見ていたようだ。誤魔化しは無駄と即座に判断し、刹那は頷き肯定の意を伝える。
「たぶん、咲羅は――」
恐らくは自分だけでなく彼も感じ取ったであろうその台詞を言いかけた時、覆い被せるようにもうひとつ甲高い声が割って入る。
「ねぇ! 2人してなんの話?」
喧騒の中でもはっきりと聞こえる声の主は、他ならぬ茜であった。
2人の間に割って入り、何を話しているのかと瞳を輝かせ覗き込む姿に、刹那は言いかけたその台詞をぐっと呑み込む。
「何、ちょっと兄弟だけの世間話だ」
咄嗟に瞬矢が冗談っぽく笑いながら、先ほどの会話の内容をはぐらかす。
「あっ、仲間外れひどーい!」
眉をつり上げ、明らかに憤慨(ふんがい)してみせる。
まぁまぁ、と茜を宥(なだ)めたところで丁度駅の駐車場から通りへと抜ける。そこで一旦別れ、翌日、再び集うこととなった。
**
「たぶん、咲羅は――」
恐らくは自分だけでなく彼も感じ取ったであろうその台詞を言いかけた時、覆い被せるようにもうひとつ甲高い声が割って入る。
「ねぇ! 2人してなんの話?」
喧騒の中でもはっきりと聞こえる声の主は、他ならぬ茜であった。
2人の間に割って入り、何を話しているのかと瞳を輝かせ覗き込む姿に、刹那は言いかけたその台詞をぐっと呑み込む。
「何、ちょっと兄弟だけの世間話だ」
咄嗟に瞬矢が冗談っぽく笑いながら、先ほどの会話の内容をはぐらかす。
「あっ、仲間外れひどーい!」
眉をつり上げ、明らかに憤慨(ふんがい)してみせる。
まぁまぁ、と茜を宥(なだ)めたところで丁度駅の駐車場から通りへと抜ける。そこで一旦別れ、翌日、再び集うこととなった。
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