
【S】―エス―01
第5章 接触
だが、すぐさま艶やかな黒髪の下に表情を隠し答えた。
「さぁ? むしろ俺が知りたいね」
窓から差す逆光の中、口角をつり上げそう言う彼の風貌は、あまりにも整いすぎている。
どこか人知を超えたものすら感じさせる、完成された美。
『刹那』が出したという手紙を預かり、部屋を後にした。
建物を出たところで立ち止まり、今一度預かった手紙に目を通す。
(【S】……それに『刹那』……)
……――ぞくり。
「――っ!」
ビルの合間から纏わりつくようなおぞ気の走る視線を感じ、振り返り周囲を見回す。
(今、誰かに見られてたような……)
振り返った先に誰もいなかったことに対し香緒里は、怪訝(けげん)な表情で顎に手をあておかしい……としきりに首を捻る。
**
「さぁ? むしろ俺が知りたいね」
窓から差す逆光の中、口角をつり上げそう言う彼の風貌は、あまりにも整いすぎている。
どこか人知を超えたものすら感じさせる、完成された美。
『刹那』が出したという手紙を預かり、部屋を後にした。
建物を出たところで立ち止まり、今一度預かった手紙に目を通す。
(【S】……それに『刹那』……)
……――ぞくり。
「――っ!」
ビルの合間から纏わりつくようなおぞ気の走る視線を感じ、振り返り周囲を見回す。
(今、誰かに見られてたような……)
振り返った先に誰もいなかったことに対し香緒里は、怪訝(けげん)な表情で顎に手をあておかしい……としきりに首を捻る。
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