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【S】―エス―01

第7章 再会の旋律

 すうっと立ち上がり、画面の前でにたりと笑う黒髪の青年の姿が映る。


 まるで、自分が録られているのを理解したような――そんな笑みであった。


「?」


 ふと感じた映像への違和感。


 監視カメラの映像を食い入るように見つめ、何度も巻き戻しと再生を繰り返す。そして確信する。


「そんな……あり得ない!」


 身を乗り出した勢いで、一時停止ボタンを押す。


 そう。この監視カメラが設置されているのは、地面から10メートル以上離れた3階くらいの位置。


 つまり、無傷で着地するなどまず不可能なのだ。


(【S】あなたは何者なの?)


 一時停止の画面の中、青年は香緒里たちに向かい口角をつり上げ妖しく笑う。




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