友達以上恋人未満
第4章 好き
私は驚いた。
本当にそうだった。
今まで彼が寂しそうな顔をしていた理由も、
自分の中でもやもやしていた感情も、
すべて彼の言葉が
答えだった。
きっと、
会うたびに寂しそうな顔をして
私を抱きしめるのは、
彼は私を好きでいてくれたのに、
彼も私の気持ちがわからなくて、
伝える勇気がなくて、
ただ抱きしめることしかできなかったから。
彼が私にキスをしなかったのは、
私が彼に、好きならしていい、と
彼の気持ちだけを確かめようとして、
ちゃんと彼に好きだと伝えなかったから、
彼も私の気持ちがわからなくて
自分だけの感情にまかせては
キスをできなかったのだ。
私も、彼も、
お互いちゃんと好きだと言えなくて
相手からの好きだという言葉を
待つばかりで
もがいていたんだ。