友達以上恋人未満
第6章 花火
そして花火大会前日。
彼は仕事帰りにうちに来ていた。
でも、なぜか彼は
寂しそうな顔をしている。
口数は少なく、テレビを見ている私を
後ろからぎゅうぎゅうと抱きしめる。
「どうしたの?」
私が聞く。
「ん、くっつきたいだけ。」
「そっか。」
「うん。」
彼が、私を抱きしめる力が強くなる。
その彼の腕を感じながら、
私はなんとなく、
わかってしまったんだ。
「明日だね。」
「ん。」
「.....今日、仕事遅くまであったんだね。」
「うん、ちょっと残業。」
「そっか。
明日も、
仕事行くの?」
「................ごめん。」