山岸君と照井君
第9章 溺愛――――…。
「あっ――――…すまない…怒らせたか……」
僕は、そんな照井君を見たくなくて…散らばった小銭を拾う―――――――…
「いや…違う―――――…」
少しため息混じりの照井君の声…
僕と同じ姿勢になったのか…上からじゃなく…
正面から聞こえる―――…
「匂いの次は…手か―――…
どんどん…山岸は、俺を好きになっていくなぁ〜って…」
しゃがんだ照井君は……不安になった僕に…
笑ってくれた…
「――――…どん…どん…
好きに……?なる?」
意味がわからなかったけど…
頬を染め太陽が…照井君を綺麗に染めていて―――…眩しくて…目を開けてられない…