山岸君と照井君
第10章 意識して―――……。
くそ!くそ!!
タクシーのドアを閉めた米屋は、山岸と繋いだ手をチラッと俺に見せつけ―――…
山岸を連れて自宅に入って行った!!
あいつ!!絶対山岸に気がある!!
あんな…もっさりガリ勉眼鏡――――――――…のどこに惚れてんだ?あいつ!!
あ〜!!むかつく!むかつく!
イケメン家庭教師……
くそ――――――…
多分…俺より…付き合い長いんだろうなぁ…
“麟太郎さん!!”って呼ぶ…山岸の顔……
なんか……可愛かったし…
山岸の…家庭の事とか……
詳しそうだし……
手――――…
俺じゃなくても――――…
安心するなら…
アイツの手…
握るのかな?
俺は…米屋の出現に…
動揺しまくって――――…
悪い妄想ばかりしていた…
山岸………結局…
俺の事…
何とも思ってなかったのかな…
俺ばっかり好きで――――…
頑張れるかな――――…?