山岸君と照井君
第38章 番外編①―――……
俺は、少し抵抗する腕を優しく引き―――…
駐車場にある車へと向かう…
「痛い――――…手を離していただけないだろうか」
う――――…丁寧語だ…
機嫌わるそうだなぁ…
「――――…痛いって…全然力入れてませんよ?」
振り向くと……あからさまにフン!とそっぽを向く…
小柄な岳心さんがやると……
不愉快さを表したいのだろうが…
和んでしまう……
ま…傍から見たら―――…
岳心さんは、お怒りモードなのだとは思うのだが…
恋愛脳と言うものは…恐ろしい…
不機嫌な恋人を“可愛い”と思ってしまうのだから…