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風景画

第28章  時雨月 ②




淡くライトが灯る中

ボトルの封をそっと切る



グラスにそそぐ魅惑の音は

胸の鼓動を思わせながら

闇と光を縫うように

静かに波紋を広げてゆく



波の彼方に

あなたが見える…

私の夢の行き着くところ



遠いあなたへグラスを掲げ

想いとともに飲み干せば

夜の色が深紅に変わる







(了)



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