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風景画

第35章  poemtory 〜その日、その瞬間…


** Cat **



十六夜の月を待ちながら

彼は

出窓にすわり闇を見つめる



耳を 尾を動かしながら

真に待っているものは

月ではなく愛する人

そのぬくもりと優しい声…



長い長い時を

ひとり

家を守り過ごせるのは

そして

激しく求めるのは

すべて、愛ゆえ



今宵もまた

足音が聞こえてくる…



彼は窓からしなやかに身を翻す

待ち望んだ

ふたりの時間が訪れる







(了)



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