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風景画

第40章  雪待月 ②




最後の雫がグラスに落ちた…



この手の中で

軽やかに遊ぶボトルは

もやいを解かれた舟が

深夜の海を彷徨うように

あてどなく…



心を今にとどめるため

など

美しい言い訳を

胸の中でつぶやいては

次のボトルの封を切る



夜に琥珀の灯りがともる







(了)



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