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風景画

第54章  雪月 ③




夜空の暗幕に

忽然と浮かび上がる

電気仕掛けの光の乱舞



それはまるで

砂漠に束の間映る蜃気楼…



明滅する幻と高ぶり



けれど

虚ろな華やぎは

次第に心離れ

冷瓏たる闇の中へと夢を追う



…私は夜を抱きしめる







(了)



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