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風景画

第60章  初空月




夕闇せまる交差点を渡りながら

ふいに

あなたの声が聞こえたようで

天を仰ぐ



昼と夜のとけ合う彼方



両手を広げ

その名を呼んでしまえたなら…



立ち止まる背中ごし

ただ 風だけが過ぎてゆく






(了)



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