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風景画

第66章  初空月 ④




夕風に紛れ漂う雪の匂いは

めぐる季節を思わせて

出逢いし頃へと心を運ぶ



あなたは

今でもあの日のままに

眩しく私をときめかせ

忍ぶ想いの封を解く



夜寒に向かう街角で 私はひとり

うつつと夢に揺れ惑う







(了)



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