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風景画

第101章  サザンクロス・レター


* 妹から兄へ 〜エピローグ *



お兄さま…


今心からの思いをこめて綴ります



我々は事実で間に合わせるしかない…



私、決めました

お兄様の言葉を信じることに

もうあのことは考えません


でも、約束してください

必ずまた会えると


指切りしましたからね!




再会の日を信じて 今は筆を置きます


お兄様…

お体 くれぐれも大切になさって下さい



心をこめて








―それでいい…

手紙を読み終え

彼は星空の下ひとりごちた





義母さん…かあさん…

あなたの名誉を傷付ける脅迫者は

消えました

あの嵐の夜に



暖炉の火かき棒を夢中で振り上げ

義母さんを守る

胸の中叫び続けたけれど

英雄にはなれませんでしたよ


体面と将来を憂い作られた事実は

真実を隠しました

父さんの手で…


しかも僕は

何も知らない義母さんと

目を合わせることが辛くなり

逃げ出したのだから…




それでもあの星…見せてあげたい



もう

二度と

会うことの叶わない


愛するあなたに…





彼は両腕を伸ばし

南十字星にそっと手をかざす







(了)



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