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凍夜

第1章 氷雨


頭の中いっぱいにユキが居た。


私はCOOLに火を着けると、煙をくゆらせながら、ユキを思った。


煙は灰色の日射しに向かって、すっと伸びた。まるで磁石のようにそれらは一本に束ねられモスグリーンの線になった。


現実感が再び襲ってきた。

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