凍夜
第2章 恥辱
私はキッチンに立つと、バカラのグラスに氷を入れてミネラルウォーターを注ぎマドラーでかき混ぜた。
レモンのスライスが冷蔵庫に入っていたので、それを二枚グラスに浮かべ、ポッカレモンを1滴垂らした。
ユキに飲むよう促すと、「私の事、バカだって思わないでー!」
と、グラスを両手に挟み鼻をすすり涙をこぼした。
「思わないよ。大丈夫。」
私はそう言って、ユキの肩に手を置いた。
窓辺に置かれたシェードランプのオレンジ色の明かりが、ユキのつやつやした髪を暖かく照らしていた。
私はその髪を優しく撫でた。