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凍夜

第2章 恥辱



肩を震わせしゃくりあげながらユキがゆっくりと片手を上げた。

その手はまっすぐに伸びてきて私の腕をつかんだ。

《離れないで……!》

ユキの心の声がした。

〈カラン〉

グラスの中で氷が溶けた。

二枚のレモンスライスが水面で寄り添うように揺れていた。



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