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凍夜

第1章 氷雨


「私、ここが、大好き!」


バカみたいに酔っぱらって笑っていたと思ったら、急に眉をひそめるような顔をして、ユキは突然そう言った。

あれは一週間前の事だったろう。

二人で窓の外の夜景を見ながら、酒を飲み、話をしていたのだ。

そう、ユキは私の部屋に、よく訪れていた。


私はユキの、その唐突な言葉で、一瞬、酔いが覚め、ユキのことを、まじまじと見つめた。

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