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凍夜

第1章 氷雨


「私、リナのこと、大好きだから」


ユキは、そう言ったかと思うと、目にいっぱい涙を浮かべて、私の顔をのぞきこみ、精一杯の笑顔をつくってみせた。


「私だって、ユキのこと大好きだよ。いつだって一緒にいたいよ。友達だよ」

ユキの空になったグラスに酒を注ぎながら、私は、《ねっ?》と頷いた。

ユキは、私から視線を外すと、黙って頷き、グラスの酒を一気に飲み干した。

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