テキストサイズ

凍夜

第3章 花


女なら、誰でも一度は花畑の中に足を踏み入れたことがあるだろう。

幼い頃、花を摘んで首飾りをこしらえた。

首にぶら下げて、王子様が現れるのを待っていた。

いつしか花を摘むことを忘れた。

あの、一面に咲き乱れた花たちはその後どうなったんだろう……。

風が吹き、花たちはそれぞれに揺れていた。

もう一度、あの花畑を見たい……。


ストーリーメニュー

TOPTOPへ