テキストサイズ

凍夜

第4章 カタルシス


~私とマサシは車を走らせていた。

すっかり外は陽が落ちた。

車が石山通りに入った頃には渋滞が始まった。

毎年、札幌は雪が降り始めた日、交通マヒを起こす。

これは誰にも止められない迷惑な実態だった。

吹雪になりかけた視界を、ブレーキランプが赤く連なりカーブに沿うように弧を描いて、何処までも続く車の列を、ただ眺めていた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ