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凍夜

第4章 カタルシス


石山通りから、下手稲通りに交わる辺りは、車の長い列が雪の中、じりじりと進退を繰り返すように徐行していた。

私は焦る思いで窓の外を眺めるしかなかった。

「やっぱり俺……。」

マサシが、こめかみを押さえながら首をかしげた。

顔色が優れなかった。

「どうしたの?」

私がそう聞いた時、車が突然、〈ドン!〉と前へ跳んだ。

私とマサシはシートベルトを着けていなかったので、体ごと弾んだ。

「!」

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