
凍夜
第4章 カタルシス
私は、目を覆った。
ドラム缶の中にいる少年たちは、コンクリート詰めになった。
一人が、トラックを出してきた。
「マサシ、コレオーケイ?イソゲ」
マサシは、ポケットから封筒を出して中身を数えた。
一万円札を30枚数えると一人に渡した。
「サンキュー、コレ、ラストネ?」
三人は速やかにドラム缶をトラックに積み終え、「マサシ、マタ、ゲンキ!」と手を上げ、ワゴン車に乗って走り去った。
暗闇にタイヤの土煙が上がるのを見届け、マサシは手の甲で汗を拭った。
「リナ、乗って。」
マサシはトラックに飛び乗って、私に手招きした。
