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凍夜

第6章 浸食



だから、十年程前、ユキと再会した時は、予想もしていないことに、驚き、感動的だった。

「わぁ!リナなの?いやだぁ、偶然ねー?
何してんの?もしかして社長とか?」


ユキはハーフムーンの求人を見て、オフィスにやって来たのだった。

なんとなく、立場上、バツが悪かった。

なのにユキときたら、「嬉しい~!私、ずっとリナに会いたかったの。だってリナってば連絡先変わるんなら言ってくれたらいいのにシカトなんだもん!淋しかったよぉ~友達なのにぃ。」

って本当に嬉しそうに言ってくれたから、私はなんて小さい人間なんだろう?って自分を恥じた。

「変な仕事だったらどうしようって、こわい人が出てきたりしたらって不安だったけど、ホッとしちゃった!リナのトコなら安心ね?」

沢山不安を抱えてやっとやって来たと知って私は、この縁に深く感謝した。

それは新たな収穫でもあった。

女を使う身として、まだ本当の女の心理をよくわかっていなかったから、ユキの言葉がよく身に滲みた。

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