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凍夜

第7章 海溝



ケンタッキーの前で、パパが誰かと立ち話をしていた。

知らない男だった。


由美子はここの所ずっとパパと秘密の時間を過ごしていた。


あのいつかのカラオケの夜以来、由美子はパパの言うことを何でも聞くようになっていた。


それがいけないことだとはわかっていたけれど、由美子にはどうすることも出来なかった。


ただ、パパに以前のように、いい子だと優しく笑って欲しかった。

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