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凍夜

第7章 海溝


「……25年の月日にこだわっていたわ。」


私はティッシュを握り潰すと拳を回した。



「……まさか……偶然じゃないんですか……?」


土屋が目を皿にした。


「……だったらいいけど、いずれにしても要注意よ。いいお客ではあるんだけど。」


私はダストボックスのフットペダルをブーツの爪先で勢いよく踏んだ。

「今頃になって……!」

握り締めたゴミを中に放り込んだ。





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