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凍夜

第7章 海溝


ある日、土屋の愛読書である、北海道の政治雑誌と夜のタウン雑誌が放置されていたのでなんの気なしにパラ見した。


夜のタウン雑誌の中に、レイジがいた。


先日のようにシャネルのエゴイストの香りが立ち上るような気がした。


《レジェンド

ススキノ

No.1

白亜

レイジ》


なぜだか私は顔が熱くなった。

そこへ、土屋がやってきて、

「その男、レイジってなかなか切れる男でね、ほら、もう一冊の雑誌にコラム書いてんですよ!」

と政治雑誌を手に取った。

「コレですよ。」

土屋にめくられたページを見ると、仕切られた枠の中に、


《夜王の時間

柳瀬レイジ

ワインのダイヤモンド》

という記事があった。






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