凍夜
第7章 海溝
店内も薄暗かったが、それなりに広さがあり、正面にステージがあった。
振り返った女たちは外国人で年齢も様々だった。
女たちはマサシに気づき、「マサシ、マサシ」と声をかけてきた。
マサシは、「ハーイ」と挨拶を交わした。
カーテンに仕切られた所から、いつかの東南アジア系の男が出てきて「ハイ、マサシ!コンヤ、ステージ、タツネ!」とマサシに言った。
それから続々と日本人の客達がドアを開けて入ってきた。
女たちは、明るい声をあげながら日本人の客たちをテーブルに案内して、しなだれかかったり、甘えたり始めた。
女たちの中からフィリピンらしいコがマサシの所にきて、何故かもじもじとしながらマサシの体に触れた。
「マサシ、コノコ、ダレ?」