凍夜
第7章 海溝
マサシが客席に背を向けたまま、椅子に座った女の前に立ち、踊りながら腰をアップダウンした。
引き締まった筋肉のついた程よい大きさの尻が揺れた。
マサシは女の足元に膝まずくと女の両足を開き、女と何やらアイコンタクトを交わしたように見えた。
マサシは頭に乗せたハットを客席に向かって放り投げた。
「マサシー!いけー!」
男の客がそのハットをかぶり声を張った。
マサシは上体を丸めると女の両足の間の中心に指をかけた。
その指は勝手知ったるように器用に動いた。
女は眉間にしわをよせ、口を半開きにして目を閉じた。
マサシは女の股の間に顔を埋めた。
《ワンになったんだ!》
マサシの声が聞こえたような気がした。
マサシの頭が左右上下に動きだし、私はマサシが何をしているのか想像できた。
〈マサシの舌が女の敏感な部分を舐めている。湿った粘膜を掻き分けるようにマサシの舌の先がチロチロと這い回る。まるで蛇のように執拗にくねり、ポッカリと口を開けた穴蔵に蜜を求めて滑りこんでゆく。〉
私は思わず、耳まで赤くなった。