食わず嫌い
第3章 チョコレート
バイトが終わったあと、コンビニに寄る。
今日の飯は何にしようか選んでると、棚に置いてあるバレンタインチョコが目に入った。
チョコ、結局パートのおばちゃんからしか貰えなかったな。しかもチロルチョコ。
まあ、世の中そんなもんだよな。
漫画みたいにいきなり「好きです」なんて、そんな展開…。
「あの…」
ふと隣から声をかけられた。
振り返ると、制服を着た女子高生が立っていた。
「これ…」
女子高生は恥ずかしそうにしながら、チョコの箱を俺の前に差し出す。
「…えっ…」
ま、まさか、俺に!?
いきなり告白!?
「落としましたよ?」
「……へ? あ、ああっ…」
俺はポカンとしながら、女子高生からチョコの箱を受け取った。
女子高生は友達とレジで合流すると、クスクス笑いながら店から出て行った。