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食わず嫌い

第4章 俺、女の子になっちゃった!

「なんで? 声、聞かせてよ……」


桐也は舌で乳首を転がしながら、胸を揉みしだく。


「……や、んんっ……」


俺はそれでも声を出すのをためらった。
桐也に触れられたところ、舐められたところがめちゃくちゃ気持ちよくて、それだけでどうにかなりそうだった。


だけど、気持ち的には複雑だった。



どうしてキスをしてきたんだ?
どうして急に襲ってきたんだ?

おっぱいがあれば誰でもいいのか?
女だったら誰でもいいのか?

俺とキス止まりだったのは、俺が男だから?



だったら、感じたくない。
この体は俺じゃない。
俺は女じゃない───。



「……え、なんで泣いてんの」


桐也が驚いた顔で俺を見下ろす。
その視界は滲んでよく見えなくて、俺は手の甲で涙を拭った。


「ばかやろっ……なんでこんなことするんだよ!」
「……」
「女になんて、なりたくなかったのにっ……」


こんな気持ちになるなら、ずっとただの友達でいればよかった。



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