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食わず嫌い

第2章 アイス

おでこが冷たい……
俺はいつの間にか眠っていた。


「気持ちいい…」


思わず口に出すと、


「だろ? 意外といけるんだぜ、これ」

「……!?」


目を開けると、桐也が俺を覗きこんでいた。


「な、なんで…お前が……」

「お前がオレを呼んだんだろ」


まさかテレパシー?


「電話したの覚えてないのかよ」

「……覚えてない……」


どうやら俺は無意識に桐也を呼んでたらしい。


「冷たいもん買ってきてくれ~言うからさ、アイス買ってきたのに溶けちまっただろ?」

「……は?」


なんと俺のおでこを冷やしていたものはアイスノンではなく、アイスクリームの箱だった。


「これ冷蔵庫入れとくな。あ、一本食べる?」


桐也はバニラ棒のアイスを俺に差し出した。


「ん……」


この際なんでもいい…
身体を冷やしてくれるなら。


俺は紙をめくり、少し溶けかけたアイスを口一杯に頬張った。


「……ん……」


甘ったるい味が口一杯に広がる。
それでもアイスが喉を通りすぎると、身体の熱が取れていく感じがした。

早くこの熱を冷ましてほしい。
俺は夢中でアイスを舐めた。


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