ネムリヒメ.
第7章 知らない自分.
"そんなんじゃ…楓、楓って言えなくなるのも時間の問題だな…"
そう言われたのきのうの夜じゃん…
頭のなかだけじゃない、胸のなかまで掻き乱されそうだ
「…で、お前聞いてんの?」
首を傾げる彼の言葉で我にかえる
ぁ…一瞬飛んでた
「ぅえ!?なんだっけ…」
「はぁ…足りないモノないのかって、身の回りのモノ…買い物につきやってやるけど」
あぁ、そうだった♪
買い物かぁ…
そんなのね…
「っ…行きたい!!」
行きたいに決まってるじゃない♪
「もう、それならそうと早く言ってよね」
「…は!? 最初から言ってんだろ、バーカ」
「っー…!!」
こ、このオトコはー…
「っもう!! バカって言ったら自分がバカなんです!!」
「あー、はいはい」
沸騰したやかんのようにピーピー騒ぐアタシの髪をくしゃくしゃとしながら笑う渚くん
もぅ!! ムカつく…
ムカつくのに………
なんか……心臓の辺りが変だ…
しっかりするんだ、アタシしっかりしてっ!!
……………