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ネムリヒメ.

第12章 アイスクリームシンドローム.





渚くんはアタシの頭の脇に手をつくと首筋に手を差し込んで髪を掻き上げる


露になった首筋にはもちろん彼自身が刻んだ紅いシルシと……その脇にもうひとつ


紛れもなくそれは聖くんのつけた跡だ

それを長い指でなぞられ、ピクリと肩が揺れた



「…ムカつく」



ぇ…


渚くんに揺れる瞳でそう言われて、彼を見つめたまま時が止まったようだった


漆黒の瞳はただアタシを見つめて 反らすことをまるで許さないかのようにアタシを捉える


「………なん…っ」


しかし、ようやく出たアタシの言葉は彼の唇によって遮られた


唇で唇をこじ開けられ、探しあてられた舌を舌で絡められる


「ふ……は、ぁ…」


突然のことに戸惑いながら、熱のこもった口づけに声が漏れた


「っ…聖になんて抱かれてんじゃねーよ」


濡れた唇を少し離した彼の低い声が頭に響いて胸のあたりがざわめきだつ


「っ…な…」


なんでそんなコト言うの…


彼の視線がまっすぐアタシを貫く


「…お前が毎晩抱けっつったんだろ」


「っ…!!」


ぇ………


彼の思わぬ言葉に目を大きく見開いた




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